post-covid19 通信 No.5
post-covid19 通信 No.5
「やらない善より、やる偽善」
そんな「ことわざ」は、ないと思いますが、良いことばかり言って何もしない善人より、宣伝だとか陰口を叩かれようと実行する偽善を私は良しとします。
ということで、うちの塾も3月、4月に、英語会員一人ひとりに「洗えるマスク」を配布し、経済的打撃を受けた方には会費半額措置を行なってきました(継続中)。
偽善行為第3段として、学校休校中の間、5月から500円分のAmazonギフト券を英語会員の方に毎月、還元させていただきます。
※8月末まで休校 or 12月末まで休校という2パターンを休校の限度期限と想定しております。
※当塾の英語のレッスンは、5/7に復帰します。
※ラテン語・古典ギリシャ語の授業の再開は9月を予定(変更もあり)。現在、閉講中。
「読書っていいかもフェア」開催中
Amazonギフト券をもらって本を買おう!
Amazonカードをもらって、小説でも漫画でも(「マスターキートン」とかいいですよね)、好きなものを買って読むと良いです。私なら少し貯めてアヴェスター語の文法書を買うでしょう。
注意) 「政府から配給される10万円は私は受け取りません」などと言う「かっこいい」偽善者には私たちはなれませんね。時々ぶかっこうくらいでちょうど良いです。しっかり受け取って、どんどん使いましょう。経済を回すことが大切です。行き付けのラーメン屋で普段はのせないチャーシュートッピングいっちゃってください。地元の商店街で使いましょう。メロンも和牛も蘭も買いましょう。農家さんが困っています。
さて、covid19によって環境問題の改善という点を前前回あたりに眺めましたが、今回はその流れで「自然と人間の調和」への気付きについて考えてみましょう。
Nature is visible Spirit; Spirit is
invisible Nature.
自然は目に見える精神、精神は目に見えない自然である。
フリードリヒ・シェリング
部屋の状態は、住んでいる人の精神状態を写す、というようなことがよく言われます。
部屋が人の精神を写すのなら、私たちの身の回りの環境は私たちの精神を写すことになるのではないでしょうか?
汚ない海や空は、私たちが便利さと交換した代償であり、私たちの精神の汚れを示しているようにも思えます。
今回のパンデミックによって、慌ただしく日常を消化していく私たちに一旦立ち止まって、ものをよく考えろ、と時間が与えられたような気がします。
そういうわけで、たまにはテレビも消して、スマホもオフ。風の音でも聞いてみましょう。手で土を触ってみましょう。無音に体をなじませよう。
ガチャガチャした音が消え、無音に慣れてくると、自然の小さな音にも敏感になってきます。
次に「バッハの無伴奏チェロ組曲」を聴いてみましょう (YouTubeで聴けます)。先ずは、ヨーヨー・マさんの演奏から。心にすっと流れ込んで来るのが感じられます。
その次に美味しいコーヒーをいれて、読書の時間をつくりましょう。
さて、先ほど引用したシェリング(1775-1854)ですが、ヘーゲルやカント、フィヒテなどと並ぶドイツの哲学者です。シェリングと言えば同時代のノヴァーリスを連想します。
ドイツ・ロマン主義を代表する詩人ノヴァーリス(1772-1801)。僅か29歳で亡くなりました。代表作は『青い花』(岩波文庫)。
※イギリス・ロマン派だとバイロン卿やシェリーですね。しかしながら、最も有名な作品は、シェリーの奥さんであるメアリーさんの『フランケンシュタイン』ということになります。これについては、いつの日か眺めてみましょう。フランケンシュタインは怪物のことではありませんよ。あの怪物を作った博士の名前です。
ノヴァーリスの作品では、現実と非現実の境界線は薄れ、日常の空間にひょっこり奇跡が顔を出し、奇跡は日常化します。彼は、人間を小宇宙ととらえ、「世界」を「ひとりの人間」としてみなしました。
「身心一如」
「しんじんいちにょ」と読んでおきましょう。心と身体はひとつである、という意味です。コインの裏と表のように。
元々は、道元なのか栄西なのか分かりませんが、仏教の世界の言葉です。
禅においては、肉体があるから座禅ができる、座禅ができるから心が清らかになれるという考えです。
肉体を離れて心はありえないし、心を整えるから肉体が健康になる、身体と心は不可分のものであり、ふたつに分けることはできないということです。
今回のパンデミックで私たちが感じ取れるのは、私たちの心と身体と、さらに自然環境(世界)、この3つは一つのものの現れなのではないかということです。
そんなことをつらつら考えると、ジェームズ・ラブロックの「ガイア理論」に再び辿り着きます。
※ラブロックは、まだ生きています。
今年100歳です!
「地球は一つの生命体である」
私たち一人ひとりは、地球という生命体の中に住まわせていただいているごく小さな生命体であり、地球にとって私たちはウイルスみたいなものです。
私たちが苦しんでいる今回の新型ウイルスのパンデミックと極めて逆説的ですが、私たち一人ひとりは地球にとっての極悪ウイルスであり、特に産業革命以降は計り知れない悪さを地球に与えてきたことは空や海の汚れをを見ても一目瞭然です。その汚れは、地球にとって癌のようなものでしょう。
夜に星が見えないのは異常なことなのです。不自然な現象に私たちは慣れすぎてしまっています。
今回のパンデミックは、実は地球が自己調整能力を使って、自分の「身体」を修復しているのかもしれませんね。
さて、天気が良い日にはゆったり散歩に出かけましょう。毎日、私は近くのビーチまで散歩に出かけるのですが、本当に人があまりいません。だから波の音がいつもよりよく聞こえるような気がします。
しかしながら、ビーチには人々の笑い声があった方がやはり良いです。そして海もそれを望んでいる気がします。
最後に、アメリカの神話学者ジョーゼフ・キャンベル(1904-1987)の言葉を聞いてみましょう。彼は「スターウォーズ」の制作者であるジョージ・ルーカスに多大な影響を与えたことでも有名です。
The goal of life is to make your heartbeat
match the beat of the universe, to match your nature with Nature.
生きることの目的は、自分の心臓の鼓動を宇宙の鼓動に合わせることです。人の内なる自然を宇宙の自然に合わせることに他なりません。
Stay home, and stay cool.
竜崎克巳
post-covid19 通信 No.4
post-covit19 通信 No.4
みなさん、おはようございます。
前回から、極悪covid19によって引き起こされたプラスの側面を観察しております。
私はギターがほんの少し上手くなりました。
普段は練習はしないし、元々うまくはないので、微々たる上達なのですが、時間を持て余しちょっと練習などをした結果、少し前には弾けなかったフレーズがいとも簡単に弾けるようになったのでした。やはり楽器は練習なんですね。
◯「教育制度」と「働き方」の見直し
「教育制度」
学校再開のシナリオですが、大きく分けて2つ考えられます。
1つは、この通信No.2でも書きましたが、日本全国9月入学システムの導入です。その場合、来年の7月あたりが受験ということに今後なります。教育システム全てを変える方法です。
もう1つは、感染者数の少ない地域から徐々に学校を再開させ、最後に東京での再開です。今の教育システム(入学は4月のまま)を継続させる方法です。
どちらにせよ、ただぼーっと誰かが何かをやってくれるのを待っているのは得策とは言えなそうですね。
‘If you want the rainbow, you have to put up with the rain. ‘
虹を見たいんだったら、雨は我慢しなきゃ。
‘We cannot direct the wind, but we can
adjust the sails. ‘
風向きは変えられないけど、舵をきるのは我々だ。
「働き方」
「働く」ということに関して大きな変化が訪れる可能性があります。ベーシックインカム制度の導入がこれに当たります。このことについては、別の機会に考察してみましょう。
◯言葉の向こう側へ
今回は、「言葉とは何か」への気づきについて考えてみます。ほんの少し使用法を間違えただけでも、狂気を引き起こし、凶器にもなりうるのが言葉
です。
covid19によって、私たちは言葉の使い方に慎重になることができ、同時に物事の本質を見る力を少し養えるように思えます。
「コロナ」という言葉は元々、ラテン語coronaで、「冠」という意味です。この言葉そのものに何か悪を感じるでしょうか?
むしろ「冠」は良い意味ではないでしょうか?では、なぜ「コロナ」という言葉に私たちは不快感を感じるのでしょうか?
それは私たちの脳が、あらゆる事柄とイメージに汚染され、本来の言葉の意味を通り越したところに辿り着いてしまうからです。
言葉の使い方において、それが正しいとか正しくないとかの遥か向こう側にある現実の中に孕む危険性について考えてみましょう。
私の大好きなコロナビールがその名称ゆえに生産中止になりました。コロナビール自体のどこが悪かったのでしょうか?
世界中に実際にいる「コロナ」君という名の人が、コロナビール同様にいじめを受けています。
オーストラリアでの映画撮影中にcovid19に感染したアメリカの俳優トム・ハンクスさんへ、ファンの少年が「大丈夫ですか?」と手紙を書いて送りました。
オーストラリアに住むその少年の名前は「コロナ・デブリース」君。その名前ゆえにいじめを受けていると言う。
トム・ハンクスは、返信の手紙と共に一台の素敵なタイプライターを送ってあげたそうです。
それは「スミス・コロナ」社製でした。自分と同じ名前のこの素晴らしい贈物を受け取ったコロナ君はとても喜んだそうです。
‘Love all, trust a few, do wrong to none.
‘
By William Shakespeare
今回のパンデミックが原因で、あらゆるところから人を誹謗中傷する声が聞こえてきます。
もちろん、人間ですから何かに対して怒ることは自然です。しかし今はやめておきましょう。なぜならあまりに多くの人がそうしているからです。
そうは言っても、怒りが収まらない人には「アンガーマネジメント」という心理学を応用した怒りのコントロール術があります。Amazonあたりで検索してみてください。何か良い本が見つかるかもしれません。
古代ローマの詩人ホラティウスは「怒り」を次のように表現します。
‘ira furor brevis est: animum rege:
qui nisi paret imperat. ‘
怒りは短い狂気である。もしこれが私たちに服従しないなら、怒りが私たちを支配することになる。
哲学者セネカも「怒りについて」という論考において、このホラティウスの言葉を引用しています。
言葉というものは、正しいとか正しくないとかの向こう側にある現実に影響を与えます。
covid19のことを「チャイニーズ・ウィルス」とトランプ大統領は連呼しました。
「コロナをアメリカにもってきたのはお前たちだ!」という差別が中国系の人々に対して起こりました。
中国人に対する誹謗中傷に拍車がかかり、テキサスでは、食料品店で買い物をしていたアジア系の親子3人が刃物で刺されるという事件も発生しました。
この3人は、どこか悪かったでしょうか?
「コロナ」君や「コロナビール」や「中国系の人」に対してだけではなく、既にあらゆるところで差別が生まれています。
今アメリカで最もよく売れているものは銃だそうです。
‘Who spits against heaven, it falls on his
head. ‘
人に唾を吐きかければ、めぐりめぐって自分の頭に返って来る。
今回のような危機的状況に私たちが直面すると、人間(人種)や地域社会や政治や国などに内包される問題の性質が倍増して顕現し、誰の目にもはっきりとその本質が見えてきます。
つまり、covid19によって私たちは「今まで見えなかったものが、よく見えるようになった」とも言えそうです。もちろん見たくないことも見えるようになり気分が滅入ることもありますね。
そのような方に、お勧めの映画をご紹介いたします。
「コロナ」君に「コロナ」社製のタイプライターを送った「コロナ」から生還したトム・ハンクスに登場願いましょう。彼の主演映画「フォレスト・ガンプ」です。
「フォレスト・ガンプ(一期一会)」
原作はWinston Groomの小説
‘Forrest Gump’
有名な映画なので観たことのある方も多いかもしれません。でも2回目も悪くないですよ。私は5回以上は観たような気がします。
どのような映画なのか、私の下手な説明より、映画の中の有名なセリフにヒントを見つけましょう。
“My momma always said life was like a box
of chocolates. You never know what you’re gonna get”.
「ママはいつも言っていたんだ、人生はチョコレートの詰め合わせボックスみたいだって。開けて食べてみるまでは、何が入ってるか分からないって」
(人の生は、神様からの贈物で、それぞれに与えられた運命を実際に生きてみるまではどうなるか誰にも分からない、くらいの意味だと思います。)
※原作小説には前述の表現はなく、小説の書き出しに、
‘Being an idiot is no box of chocolates.’ とあります。
※全体を通して、この「通信」に出てくる英語その他の外国語の引用文等の日本語訳は私が付けています。一般的な訳とは異なる場合があると思います。予めご了承ください。
「フォレスト・ガンプ」に似ている映画に「ガープの世界」という作品があります。こちらは原作はジョン・アービングです。村上春樹さんも彼の作品の一つを翻訳していますね。
その作品のタイトルは『熊を放つ』。学生の時に買った記憶はありますが、読んだ記憶がありません。積読だったのかな。
◯現「英語コース会員」の方へ
「covid19特別措置(会費半額)」の受付は継続しております。
※covid19による経済的な打撃を受けられた方のための会費の半額措置。
経済状況の詳細などはお聞きいたしません。審査もありません。
自己申告制でお願いいたします。
尚、英語に関する質問や勉強方法などに関する質問は常に受けつけております。
◯ラテン語・古典ギリシャ語の授業は3月上旬から休講中。
再開予定は9月中旬としておりますが、状況により変化する可能性があります。予めご了承ください。
尚、ラテン語と古典ギリシャ語に関する質問は常にお受けしております。
「ラテン語・古典ギリシャ語単語の作り方」は、かなり不定期です。申し訳ありません。
◯「英単語の作り方:特別編」と
「post-covid19通信」は英語・ラテン語・古典ギリシャ語会員の方全員に送信されています。後でお金取られたりしませんよ(笑)。
〇「英単語の作り方シリーズ」
「英単語の作り方:特別編シリーズ」
「英文法の使い方シリーズ」
「ラテン語・古典ギリシャ語単語の作り方シリーズ」は、
ブログ Lingua Mania 内に掲載されています。
Stay home, and stay cool.
竜崎克巳
お知らせ(会員限定)
お知らせ(GW後のスケジュールなど)
教室は4/25〜5/6までは、お休みになります。この期間分の振替レッスンは、ありません。
※レッスン曜日が(月)、(火)、(水)の人は、1レッスン分を5/7以降に振替でお願いいたします。
※振替レッスンの回数は、自己申告制でお願いいたします。
5/7(木)から通常レッスン再開となります。
◯当塾の規約では、「塾と自宅が30分以内」というのがあります。
基本的に、この範囲の方が通われていると思います。
ただし、遠くから通われている方もいらっしゃると思いますので、そのような場合には、通塾は無理をしないようにしてください。私たちに1番大切なのは身体です。体さえあれば何とかなるものです。
遠方の方は、自宅から徒歩圏内の塾を探すなど、ベターな選択肢が発見できれば、その旨をお伝えください。もちろん、できる限りの注意力をもって当塾への通塾も選択肢の1つです。
現在、人数調整などの細かい作業に入っておりますので、退塾希望の方は、なるべくお早めにご連絡ください。
今まで通っていただき、本当にありがとうございます。今後も、言葉を大切にして学ぶことの喜びを感じていただけたら幸いです。
◯当塾での感染防止への取り組みは、3月から一貫して継続しています。
1 全員マスク着用
2 教室入口にて全員、殺菌ジェルで手の消毒
3 少しでも風邪気味の人は入室禁止
4 窓(3つ)とドアを開けて常に換気
5 生徒の入室は1名〜3名まで限定(なるべく少なく設定しています)
6 ソーシャルディスタンス(2メートル以上)の距離の確保
7 机やタブレットなどは、使用毎に除菌スプレー等で殺菌
◯英語に関する質問などは常にメールにて受け付けております。
ご利用ください。
◯ご相談も受け付けております。
◯covid19特別措置(会費半額)の受付も継続しております。
※covid19による経済的な打撃を受けられた方のための会費の半額措置。経済状況の詳細などはお聞きいたしません。自己申告制でお願いいたします。
◯月会費の入金期間は4/17〜4/27になっております。ご入金が遅れる場合には必ずご連絡ください。
ご協力お願いいたします。
現在、誰もが混乱状態にあると思います。この衝撃を免れている人はいません。しかしながら、少なくともルールだけはお守りください。慎重な行動を心がけてください。問題があれば、お早めにご連絡ください。できる限りのことはさせていただきます。
Love all, trust a few, do wrong to none.
By William Shakespeare
よろしくお願いします。
post-covid19 通信 No.3
post-covid19 通信 No.3
「一度出してしまったものは引っ込めるのは難しい」
そんなことわざは、なかったかもしれませんが、緊急事態宣言は出すことより、解除の方がはるかに難しいでしょう。
解除する理由に、何らかのエビデンスがなければ、あらゆる方向からクレームが上がり、非難の荒らしが発生します。特に医学界から猛反発が予想されます。
そういうわけで、しばらく解除は厳しいような気がします。長期戦の可能性に備えましょう。
Prevention is better than cure.
治療よりも予防が大切。
=備えあれば憂いなし。
さて、みなさん、ちゃんと朝、起きていますか?今日は何曜日か分かりますか?
先ずは、起きる理由を作りましょう。
港北区にお住まいのM.S.君から次のようなアドバイスをいただきました。
寝る前に次の日の予定をノートに書き出し、スケジュールを決めると良いそうです。私も彼のこのアイデアに賛成です。
以下、ご参考までに
◯月◯日のスケジュール
1) 〜時 起床/ラジオ体操/朝食
2) 〜時 オンライン授業など
3) 〜時 お昼ご飯
4) 〜時 散歩/宿題など
5) 〜時 おやつ/カップラーメン
6)〜時 英語/ 数学/夕食など
7) 〜時 ゲーム/読書/就寝
さて、前回から極悪covid19によって引き起こされたプラスの側面を考察しております。
今回は「環境の改善」を考えていきましょう。
Business Insiderから、ロサンゼルスの空がきれいになったという旨の報告がありました。PM2.5が何と40%も減少したそうです。
ロサンゼルスといえば大気汚染で有名な都市です。飛行機の運航減少と自動車の交通量減少がその要因のようです。
ロサンゼルスの極悪環境が極悪ウイルスによって改善されたのは皮肉なように思えます。
東京の夜空に、多くの星が見える日が来るかもしれませんね。失われた美しさを取り戻せるかもしれません。
私自身は、かなり長いあいだ東京に住んでいましたが、海と自然を求めてここ最近はずっと湘南に住んでおります。今、富士山が以前より綺麗に見えるような気がします。
近所に、湘南Bellmareというサッカーチームがあります。ラテン語で「美しい海」という意味です。
さて、環境問題といえば、海洋生物学者のレイチェル・カーソンさんです。彼女の次の言葉を読んでみましょう。
Man is a part of nature, and his war
against nature is inevitably a war against himself.
By Rachel Carson
「人間は自然の一部である。だから自然に対する人間の戦争は、必然的に人間に対する戦争になる。」レイチェル・カーソン
私たち自身も地球の生態系の一部であることが、今回のパンデミックで痛いほどよく分かります。
1960年代にジェームズ・ラブロックという人によって「ガイア理論」という概念が提唱されました。
地球と生物はともに関係し合い環境を作っています。さらに、地球それ自体が、自己調整能力をもっている一つの「巨大な生命体」であり、「生きている」という考えです。
ラブロックについては、またいつか考察するようにしましょう。
さて、レイチェル・カーソンといえば『沈黙の春』が有名ですが、今回は彼女のもう一つの小さく素敵な本をご紹介いたします。タイトルは
‘The Sense of Wonder’です。
自然の美しい写真が満載です。詩のように美しい文章と写真のコラボ。日本語にも翻訳されています。日本語タイトルは『センス・オブ・ワンダー』(新潮社、上遠恵子訳)です。
‘The Sense of Wonder’を読むと、私はいつもなぜか、’ Gift From The Sea’ by Anne Morrow Lindbergh (あの飛行家チャールズ・リンドバーグの奥さんのエッセイ集) というもう一つの素晴らしい作品を思い出します。ともに女性特有の優しいそのトーンがなんとなく同じ感じなのです。
こちらも日本語訳で読むことができます。タイトルは『海からの贈り物』(新潮文庫)。翻訳者はなんとイギリス文学者で翻訳家の吉田健一( もちろん吉田茂の息子)です。お勧めいたします。
2020年、あまりにも便利になりすぎてしまった時代に生きている私たちは今、自然に対して耳を傾ける時なのかもしれません。何か大切なメッセージが聞こえてくるかもしれませんね。
どなたか、もし自然からのメッセージを受け取ったら、またはUFOを目撃したら、すぐにご連絡ください。
最後にレイチェル・カーソンの『沈黙の春』からの一節。
「私たち人間が、この地上の世界と和解するとき、狂気から覚めた健全な精神が光り出すだろう」
今から約60年前の彼女の言葉です。
Stay home, and stay cool.
竜崎克巳
post-covid19通信 No.2
post-covid19 通信 No.2
以前からお話している通り、
5/7以降も学校休校が続くことは、ほぼ確実ですね。
私たちは何があっても驚かないメンタルを鍛えましょう。
なお、本当に危機的状況のときには、以下の2つが鉄則です。
1) 基本的習慣を変えない。
2) クレジットカード決済にしない。(本当に困窮した場合に1ヶ月後に追い打ちをかけられるリスクを回避します)
今は考えられるリスクを回避します。
とにかく規則正しい生活習慣をお願い致します。習慣は第二の天性と言われています。今、私たちが守るべきは私たちの冷静な心です。心を守るために習慣が必要なのです。
家では、毎日、同じ時間に起床、同じ時間に机に座り、晴れた日には散歩をしましょう。ゲームばかりやっている人は、「茹でガエル」にならないように気をつけてください。
さて今回は、covid19によって生じたプラスの側面を探してみましょう。
マイナス面を数え上げることは、誰にでもできそうなので、私たちまで真似をする必要はありません。私たちは何があってもcoolでいきましょう。
Stay cool!
Every cloud has a silver lining.
(どんな物事にもプラスの側面がある。
covid19によって生じたプラスの側面(過去のパンデミックも含む)を考えていこう。
1) 環境の改善
2) 医療の進歩
3) 文学の誕生
4) 苦難から学ぶ人間の力の増加
5) 好きなことに集中する時間の増加
6) 自分にとって本当に大切なものへの気付き
7) 政治や人間の本質が現れること(思いやりの気持ちの発現など/同時にマイナス面も現れますが)
8)情報は多さではなく質であることへの気付き
まだまだあると思います。私は想像力が欠如しているので中々思いつきません。皆さんも思いついたら是非教えてください。
次回、なぜcovid19によって「環境が改善」されたのかなど少し細かく眺めたいと思いますが、今回は2)の「医療の進歩」について、詳細ではなく、ちょっとだけ触れてみます。
現在も昼夜を問わず医療従事者の方々が努力を重ねております。私たちとしては感謝の気持ちしかありません。ありがとうございます。
同時に、過去に医学部に進学した卒業生達が個人的にはとても心配です。神に祈る気持ちしかありません。その神の名はもちろんアスクレピオスです。
私が最も好きなギリシャ神話の神は誰かと問われたら即座にアスクレピオスの名を挙げるでしょう。
アスクレピオスの名前を聞いたことがない人も多いと思います。しかしながら、この偉大な神の杖をいつも目にしているはずです。
テレビなどでよく写っているWHO(世界保健機関)の紋章。そこにある蛇が絡まった杖。あれはアスクレピオスの杖なのです。
こんなところにもギリシャ神話が今も生きています。アスクレピオスは医学の象徴的存在なのです。
Stay home, and stay cool.
竜崎克巳