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英語学習の方法論
英語学習の方法論
「愚直な練習」と「目的のある練習」
語学学習と音楽の習得はよく似ていると言われている。1日の練習量がモノを言う。しかしながら、ここに大きな問題も含まれている。
最近の心理学や神経生理学の研究によって、ちょっと前まで謎だったことが少しずつ明らかにされつつある。
よく生徒から受ける質問に「1日何時間くらい勉強したら良いですか?」というのがある。
ダラダラ勉強することは、やらないよりは良いのかもしれないが、あまり意味がない。
では、どうしたら良いのか?
「目的のある練習」をすることが効果的であることがデータによって示されている。この練習法の対極にあるのが「愚直な練習」である。
目標は才能を引き出すだけでなく、才能を創り出すことが研究によって分かってきている。
例えば、ピアノの練習を1日1時間実行しているAさんとBさん。
Aさんは、ただ1時間とにかく練習する。ただ曲を弾いて時間のノルマをこなす。
一方のBさんは、「課題曲を適切なスピードでミスなく最初から最後まで3回連続で弾けること」を目標にしている。
誰でも直感でBさんの上達がより早いことは感じとるだろうが、そのような実験データは既に存在している。トレーニング法とその結果に関する研究は実はかなり進んでいる。
時間をかければ人は物事を上達させることができるのだろうか?
運転歴30年のドライバーは運転歴5年の人より上手いのだろうか?
データが示す通り、そのような結果にはならない。
それが何であれ、人が技術を習得する際、ある段階(それが許容できるレベル)に到達すると、そこから先は、全く向上しなくなってしまうことがデータに示されている。
もっと卑近な例を一つ。30年やっているレストランの味は開店3年のレストランの味より格段に上なのだろうか?私たちの経験値が直ちに「ノー」と言わせるであろう。
改善に向けた意識的なトレーニングをしないとむしろ劣化が始まる。コンフォートゾーン(居心地の良い領域)に人は留まる傾向がある。
「コンフォートゾーン」とは「まあまあ無難にできれば良いと感じる領域」と考えておけば良い。
「目的のある練習」の実践
私たちは「愚直な練習」ではなく「目的のある練習」を行なっていこう。本当はまだまだありますが、とりあえず簡単に1〜10でまとめました。残りは教室にて、一人ひとりにお伝えします。
1 小さな目標を決めて、それを完璧にこなす。はっきり定義された具体的目標を持つことが大切。
2 さらに、もう一つの小さな目的を設定して、完璧を目指す。ダラダラしない、集中して行う。
3 「小さな完璧」の積み重ねは自信につながることを実感する。「小さな完璧」+「小さな完璧」=「少し大きくなった小さな完璧」
4 「愚直な練習」=ダラダラ勉強することは、不安が増幅する。寝る前に今日は何を勉強したかを具体的に思い出してみるとよい。おらく何も思い出せないでだろう。「やった感」だけで中味がないから、不安が残る。→集中と具体的目標をもつようにする。
5 フィードバックが必要。
その方法が正しいものかどうか、また実力向上につながっているかどうかを自分以外の人に見てもらう必要がある。試験もフィードバックと考えられる。
6 コンフォートゾーン(居心地の良い領域)から飛び出すことが必要。
それまでできなかったことに敢えて挑戦する。楽な勉強ばかりしないようにする。
7 壁を乗り越えるために別の方法を試す。
一つの方法でダメなら別の方法を探そう。必ず道は見つかる。行き詰まった時に「もっとがんばる」ではなく、「別の方法を試す」ことを実践してみよう。
8 記憶やトレーニングに負荷をかける。
当教室で準2以上の人に英語リスニングを2倍のスピード聞くというトレーニングを課しています。これは高地トレーニングのようなものです。自宅でも毎日やれば確実にリスニング能力は向上する。
9 リスニング力を向上させるためには自分が正しい発音のトレーニングを実践する必要がある。
自己流で発音していると変なクセが染み付いて取れなくなるので危険。必ずモデルスピーチを聞いた後に発音練習しよう。
10 何のための文法なのかを意識化する。
問題の答えが1だと2だとか、当たったハズレたはどうでもよい。大切なのは、その文法を知ることで得られるメリットを感じとること。
古典ギリシャ語の語形成 No.4
古典ギリシャ語の語形成 No.4
◯場所を表す副詞の形成
3種の接尾辞の識別
1 -ι, θι, σι 「〜で」
2 -θεν 「〜から」
3-δε, ζε, σε 「〜へ」
Α)
1 Αθηνησι
2 Αθήνηθεν
3 Αθηναζε
1 アテーナイで
2 アテーナイから
3 アテーナイへ
B)
1 άλλοθι
2 άλλοθεν
3 άλλοσε
1 他のところで
2 他のところから
3 他のところへ
C)
1 εκεί
2 εκείθεν
3 έκεισε
1 あそこで
2 あそこから
3 あそこへ
D)
1 οίκοι
2 οικοθεν
3 οικαδε
1 家で
2 家から
3 家へ
◯名詞や形容詞などの格変化の形がそのまま固定して副詞になったもの
1 主格
πυξ
απαξ
αναμιξ
拳骨で
一度に
ごちゃまぜに
2 対格
οναρ
τημερον
προίκα
μακράν
χάριν
夢で
今日
贈物として
遠く離れて
〜のために
3 属格
που
ουδαμού
πανταχού
αυτού
ομου
どこに
どこにも〜ない
至る所に
まさしくその場所に
同じ場所に
4 与格
πη
δημόσια
λαθρα
κοινή
άλλη
どのように
国費で
密かに
共同で
別様に
5 所格
που
οίκοι
Αθηνησι
どこへ
家に
アテーナイにて
6 具格または奪格
άνω
κάτω
ουπω
ώδε
έξω
εγγύς
上方に
下方に
まだ〜ない
このように
外へ
近くに
参考)
『古代ギリシャ語語彙集』大阪公立大学共同出版会
『古典ギリシア語文典』マルティン・チエシュコ著、白水社
『ギリシア語文法』高津春繁著、岩波書店
ラテン語の語形成 No.4
ラテン語の語形成 No.4
「人」を表す名詞の作り方
A) 男/女を識別する-us と-aのペアがあるグループ
1 dominus / domina
2 deus / dea
3 amīcus / amīca
4 fīlius / fīlia
5 discipulus / discipula
6 captīvus / captīva
7 lībertus /
līberta
8 patrōnus /
patrōna
9 puer / puella
( puellus / puella)
10 avus / avia
参) rex / regina
1 主人
2 男神
3 友達
4 息子
5 生徒
6 捕虜
7 解放奴隷
8 保護者
9 少年
10 祖父
参) 王
B) -usで終わる男性名詞
1 lēgātus
2 mūsicus
3 nuntius
4 tyrannus
1 使節
2 音楽家
3 報告者
4 専制君主
C) -aで終わる男性名詞(職業系、ギリシャ語系)グループ
1 nauta < Gk
2 poēta < Gk
3 pīrāta < Gk
4 āthlēta < Gk
5 agricola < [ager / colō]
6 collēga < [con / lego]
7 scrība < scrībere
1 船員
2 詩人
3 海賊
4 農夫
5 同僚
6 書記官
D) -aの語尾で男性も女性も表すグループ
1 incola
2 advena
1 住人
2 外国人
E) 動詞から形成される-tor グループ
1 āctor < agere / āctum
2 victor < vincere / victum
3 pictor < pingere / pictum
4 doctor < docēre / doctum
5 auctor < augēre / auctum
6 scrīptor < scrībere / scriptum
7 imperator < imperāre / imperātum
8 ōrātor < ōrāre / ōrātum
1 役者
2 勝者
3 絵描き
4 教える人
5 証人
6 著者
7 皇帝
8 弁論家
F) 動詞から形成される-sor グループ
1 professor < profitērī / professus
2 successor < succēdere / successus
3 censor < censēre / censum
4 aggressor < aggredī/ aggressus
5 rīsor < rīdēre / rīsum
1 教師
2 後継者
3 監察官
4 攻撃者
5 笑う人
G) 名詞から形成される-torグループ
1 gladiātor < gladius
2 senātor < senex
3 viātor < via
4 praedātor < praeda
1 剣闘士
2 元老院議員
3 旅行者
4 掠奪者
H) 動詞から形成される-xグループ
1 dux < dūcere / ductum
2 rex < regere / rectum
3 jūdex < jūdicāre
1 将軍
2 王
3 裁判官
I)
-ter で終わる親族グループ
II)
1 pater
2 māter
3 frāter
参) soror
nepos
1 父
2 母
3 兄弟
参) 姉妹、孫
J) 女性を表す-trix グループ
1 cantrix < cantor
2 ductrix < ductor
3 amātrix < amātor
4 ōrātrix < ōrātor
1 女性歌手
2 女性指導者
3 愛人(女性)
4 女性嘆願者
K) 様々(-s,-r, -l)な語尾
1 sacerdōs
2 augur
3 adulescens
4 faber
5 consul
6 princeps
7 mulier
8 vir
9 cīvis
10 pedes
1 神官
2 卜占官
3 青年
4 職人
5 執政官
6 第一人者
7 妻、女
8 夫、男
9 市民
10 歩兵
古典ギリシャ語の語形成 No.3
古典ギリシャ語の語形成 No.3
今回は、副詞について少し眺めていきましょう。
以下、A)では、日本語は形容詞の訳語のみを記してあります。この訳語だけを見て、ギリシャ語の形容詞と副詞を書いてみるとトレーニングになります。
A) 形容詞の男性・複数・属格の-νを-ςに取り替えて作るシステム
※高津春繁によると、
この-ωνの副詞形成のシステムは「本来ablativeの語尾-ωに、副詞の語形を拡大するに用いられる-ςがついた形であろう。」ということです。
※使用言語の問題で、以下のギリシャ語のアクセント記号は現代ギリシャ語使用になっています。アクセント記号は気にしなくて問題ありません。語頭のhの有無だけは辞書でお確かめください。
例)
δικαίως < δικαίων < δίκαιος
副詞 <
複数属格
< 形容詞
正しく 正しい
以下は、複数属格を省略します。
副詞 < 形容詞
1 σοφώς <
σοφός
2 καλώς <
καλός
3 κακώς < κακός
4 ισχυρώς <
ισχυρός
5 άλλως < άλλος
6 αδίκως < άδικος
7 ικανώς < ικανός
8 ελευθέρως <
ελεύθερος
9 απλώς <
απλούς
10 ηδέως <
ηδύς
11 ταχέως <
ταχύς
12 σαφώς <
σαφής
13 σωφρόνως < σώφρων
14 πάντως <
πας
15 μεγάλως <
μέγας
16 όντως < ών
17 ίσως < ίσος
1 賢い
2 美しい
3 悪い
4 強い
5 他の
6 不正な
7 十分な
8 自由な
9 単純な
10 快い
11 速い
12 明かな
13 思慮深い
14 全ての
15 大きい
16 ειμίの現在分詞/ 副詞「本当に」
17 形容詞ισος「等しい」/
副詞ίσως「おそらく」
B) 形容詞の中性・対格・単数/複数がそのまま副詞として用いられる例
a)中性・対格・単数
1 πρώτον < πρώτος
2 σήμερον
3 αύριον
4 πολύ < πολύς
5 μικρόν < μικρός
6 μέγα < μέγας
7 ταχύ < ταχύς
1 最初に
2 今日
3 明日
4 非常に
5 少々
6 大いに
7 速やかに
b) 中性・対格・複数
1 πρώτα < πρώτος
2 πολλά < πολύς
3 μεγάλα
< μέγας
4 αλλά < άλλος
5 μάλιστα < μάλα
1 最初に
2 しばしば
3 大いに
4 他に/ しかし
5 最も
C 接尾辞 -κις 「回数を表す」
1 άπαξ
2 δίσ
3 τρίς
4 τετράκις
5 πεντάκις
6 εξάκις
7 επτάκις
8 οκτάκις
9 ενάκις
10 δεκάκις
11 πολλάκις
12 εκαστάκις
13 τοσαυτάκις
14 οσακις
15 πλειστάκις
16 ολιγάκις
17 πλεονάκις
1 1回
2 2回
3 3回
4 4回
5 5回
6 6回
7 7回
8 8回
9 9回
10
10回
11 しばしば
12 毎度
13 それほど頻繁に
14 する毎に
15 非常に頻繁に
16 滅多に〜ない
17 もっと頻繁に
ラテン語の語形成 No.3
ラテン語の語形成 No.3
今回は、副詞ついて眺めていきましょう。
◯トレーニング方法
システムを理解した後に、日本語訳を見て直ちにラテン語の形容詞と副詞を書けるようにすると良いと思います。
▽副詞の作り方
A) 第一類形容詞は、単数・属格の-iを-ēに変える。
副詞<
単数・属格< 形容詞
altē
< altis < altus
高く 高い
以下、単数・属格を省略します。
1 acerbē < acerbus
2 Graecē < Garecus
3 minimē < minimus
4 peritē < peritus
5 placidē < placidus
6 pūblicē <pūblicus
7 pulchrē < pulcher
8 miserē < miser
9 līberē < līber
10 optimē < optimus
11 pessimē < pessimus
12 audācissimē < audācissimus
以下、日本語は形容詞の訳語
1 厳しい
2 ギリシャの / (副)ギリシャ語で
3 最も小さい
4 巧みな
5 穏やかな
6 公的な
7 美しい
8 哀れな
9 自由な
10 最も良い
11 最も悪い
12 最も大胆な
Aの例外1)
1 rārō / (rarē) < rārus
2 citō < citus
1 まれな
2 速い
Aの例外2) 2つに語尾を持ち、意味を分化させる。
1 certē < certus
2 certō < certus
3 vērē < vērus
4 vērō < vērus
以下、副詞 < 形容詞の訳語
1 きっと、少なくとも<確実な
2 正確に、確かに
3 真実ありのままに< 真実の
4 本当に、全く
B) 第二類形容詞は、単数・属格の-isを-iterに変える。
fortiter < fortis < fortis
副詞
< 単数・属格 < 形容詞
強く 強い
1 ācriter < ācer
2 breviter < brevis
3 celeriter < celer
4 fortiter < fortis
5 graviter < gravis
6 fērōciter < fērōx
7 alacriter < alacer
8 atrōciter < atrox
9 audācter < audax 例外
以下、日本語は形容詞の訳語
1 鋭い
2 勇敢な
3 すばやい
4 強い
5 重い
6 凶暴な
7 活発な
8 恐ろしい
9 大胆な
Bの例外) 語尾が-ans/ -ensの形容詞は、単数・属格の語尾-tisを-ter に変える
1 prūdenter < prūdens
2 dīligenter < dīligens
3
indulgenter < indulgens
4 constanter < constans
1 賢明な
2 注意深い
3 寛大な
4 不変の
C) 名詞や代名詞の奪格から作る
1 jūre < jūs
2 forte < fors
3 vulgo < vulgus
日本語は、副詞 < 形容詞の順
1 正当に <
法律
2 偶然に < 偶然
3 一般に
< 民衆
D) 形容詞の中性・単数・対格
1 multum < multus
2 vērum < vērus
3 prīmum < prīmus
4 facile < facilis
5 difficile < difficilis
6 dulce < dulcis
1 多くの
2 真実の
3 はじめの
4 簡単な
5 難しい
6 甘い
E) 接尾辞 -tusや-tim で終わる語
1 antīquitus
2 statim
3 furtim
4 passim
1 古代から
2 直ちに
3 こっそりと
4 いたるところに
F) どんな型にも入らない副詞
1 mox
2 diū
3 vix
4 nūper
5 saepe
1 間もなく
2 長い間
3 ほとんど〜ない
4 最近
5 しばしば