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英単語と思い込み(pet)
私たちの頭の中のほとんどは隙間がないくらいびっしり思い込みで満たされており、その度合いは開け放した窓から小鳥が入って来て一曲歌って帰って行くことを許さないくらいであり、さらにほとんど窓を閉め切っていることも多い。今日もこのまま昨日のように何も変化は望まない安全安心の安定思考。
しかし、これは淀んだ空気の中の光のささない黒いカーテンの白い部屋の生活に似ている。窓を開けて、新鮮な空気が必要な時もある。
80年代に何を思ったかレッドツェッペリンのロバート・プラントが The Honey Drippersなるユニットを結成した。参加ミュージシャンには、ジミー・ペイジをはじめジェフ・ベックもいる。
このアルバムは、ビーチでモヒートを飲みながら聞くか、古めのオープンカーで海岸沿いをぶっ飛ばしながら聴くと良い。または、その逆に電車の中で聞いても、そんな気分にさせてくれる、いわゆる「ご機嫌な」アルバムである。
問題は、6曲しか入っていなことであり、しかもアルバムジャケットの下にvolume 1と書いてあるのに、30年経った今もvolume 2が出ていない。もう少し待とう。
このアルバムの中にカヴァー曲ではあるが、Sea of loveという曲が入っている。歌詞は短いので以下引用。
Do you remember when we met?
That’s the day I knew you were my pet.
I wanna tell you how much I love you.
Come with me, my love, to the sea
The sea of love.
ここでpetという英単語が登場する。英単語の意味は脈絡なしでは分からないことが多い。単語カードの表と裏での英語/日本語の対応をいくら覚えても、まとまった内容のものを読まない限り英語は読めるようにはならない、とよく言われている。
特に簡単そうな単語は、学習の初期段階で記憶することが多いので、そのまま凍りついたように頭の中に保存されている場合がある。カタカタで日本語になっている場合には尚更である。pet=ペットという記憶は揺るがないように思える。これでは、せっかくの名曲が、犬とか猫の話になってしまう。ここでのpetは、dearの意味で「愛しい人」くらいの感じであろう。
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