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英単語構成法 第1回(自動詞と他動詞の関係性)
英単語構成法
知ってるつもりの英単語もいったん立ち止まって考察することで、新しい発見や記憶につながる手掛かりが見つかるかもしれない。具体的には、語源(ラテン語やギリシャ語)やシステム(接頭辞や接尾辞、音韻パターン)を知ることで、英単語の別の顔や表情が見えてくるかもしれない。
第1回:音による自動詞と他動詞の関係
たとえば、riseとraiseを混同して「上がる」と「上げる」を時々間違えてしまうという人が少なくない。この2つに何らかのシステムが透けて見えてくれば、ミスも減ることになる。今回は、英単語間の関係性において「音」に焦点を当ててみよう。
言語において最も大切なのは、音であり、スペルはその次である。riseとraiseもいったんスペルを無視して、音に注目してみよう。
rise = ライズ
raise=レイズ
両者の音の違いは「ラ」と「レ」であることが見てとれる。では、「ラ」と「レ」は何からできているのか。アルファベットの助けを借りよう。
「ラ」= r a
「レ」= r e
共通項のr を抽出すると
r × ( a + e )
両者の違いは、「あ」と「え」という母音の相違であることが分かる。riseとraiseに相当する日本語の「上がる」と「上げる」にも同様の分析を行うと、「が」ga と「げ」ge の相違から同様のパターンが現れてくる。
g × ( a + e )
以上のことから、記憶という観点に重点をおくと、「らぁいず」の「ぁ」と「あがぁる」の「ぁ」を結びつけ自動詞グループとし、同様に「れぇいず」と「あげぇる」に共通の「ぇ」を意識し他動詞グループとしておくと記憶が確実になる。
ある英単語において、その自動詞内の母音を、母音「え」に変換すると他動詞になる場合がある、とひとまず結論づけておこう。もちろん、全てに適応できるわけではないが、記憶につながる可能性と音に対して敏感になることを優先する。以下、この規則の日本語への適応は、あくまで参考までに。
日本語での例
上がる/ 上げる
開く /開ける
閉まる /閉める
はまる/ はめる
など
◯自動詞の他動詞化システム
ルール:
英単語内の母音が「え」の方が他動詞
1、rise /raise「上がる/上げる」
2、lie /lay 「横たわる/横たえる」
3a、sit /set「座る/置く」
3b、(sit /seat)「座る/座らせる)
4、fall /fell「倒れる/倒す」
*3aと3bでは、3aの関係が言語的派生関係であろう。3bは、意味的なレベルでの対応であるはず。
*ペア関係を「1、2、3b、4」として考えると、各ペアの自動詞が不規則変化であり、他動詞が規則変化である。layの過去形と過去分詞はlaidでありスペルにおいては若干の不規則性が見られるが、音声的には規則動詞であると考えることができる。
一音節のlay に対して、二音節のbelay(固定する)、delay(遅らせる)、relay(伝える)という単語においては、過去形・過去分詞ともにスペルの規則性が復活している。しかし、この一音節と二音節で表れる規則性も全てには適応できない。
以下、参考。
基準 lay-laid-laid(不規則スペル)
belay-belayed-belayed(規則スペル)
delay-delayed-delayed(規則スペル)
relay-relayed-relayed(規則スペル)
inlay-inlaid-inlaid(不規則スペル)
mislay-mislaid-mislaid(不規則スペル)
以下は、参考までに。サンスクリット語の文法書 ‘Teach yourself Sanskrit’より。動詞システムの説明でcausative(使役活用)についての箇所。
p.103
Causatives exist in English, though they are not a morphologically prominent feature of the language. ‘Fell’ is the causative of ‘fall’ ー ‘he fells the tree’ : so ‘lay’ of ‘lie’, ‘raise’ of ‘rise’.
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