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autumnの悲劇(語尾切断)
autumnという英単語は一応中学1年生の時に習うようになっていて、普通は記憶するのに苦労するのであって、簡単に覚えられたという人は嘘を言っているか、又はこのスペルの余りの不自然さが逆に記憶の手助けになったはずでその異体に大いに感謝していることであろう。ただ、普通に考えると最後の -n が腑に落ちないのであり、これに謎を感じない方がおかしい。
複雑なプロセスは、ここでは省くとして、autumnの元々のスペルはautumnus(読み方:アウトゥムヌス)であり、英語のautumnは語尾が切断されたと考えておけば良い。この不自然かつ理不尽な語尾 -n をもつ仲間を呼び出してみよう。
column < columna
damn < damnum
condemn < condemnare
hymn < hymnus
solemn < sollemnis
語尾切断現象は、以上のautumnグループに限るものではない。私たちが自然であると感じている英単語も実は、語尾切断、尻尾の切り落としの結果生まれた無情な歴史を背におっているかもしれない。たとえば、よく耳にする人を表す名称であるPaulは元々はPaulusである。では、名称系の仲間に数名いらしてもらおう。
Paul < Paulus
Philip < Philipos
Peter < Petros
John < Johannes
Tom < Thomas
autumn系、名前系の他にも切断単語はいろいろある。ここでは、可哀想なzooについて眺めてみよう。このzooなる英単語は元々はzoological gardenであり、発音は「ゾウオロジカル」、起源は由緒正しくギリシャ語で「動物」を表すzo- という語根と -logy(〜学)の形容詞形 -logicalで、zo・o・logical の2つ目の o は、単語の構成要素をつなぐ接着剤と見なしておけば良い。
zoological gardenは単語としては長いので、初めの3文字のzooだけが言われるようになった。-oo- のスペルはschoolなどのように基本的に「ウー」と発音する。したがってその類推からzooは「ズー」というなんとも不本意な音を担うようになってしまった。
下は参考までに。
verb < verb(um)
sport < (di)sport
soccer < (as)soc(iation football)+ er
coed < coed(ucational)
math < math(ematics)
fridge < (re)frige(rator)
flu < (in)flu(enza)
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