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『リアリティのダンス』について
2014.09.20
もともと何語で書かれているかは不明だが、青木健史氏の巧みな翻訳のおかげで私たちはアレハンドロ・ホドロフスキーの自叙伝『リアリティのダンス』(文遊社、2012)を日本語で読むことができる。
自由が丘の映画館で、映画『エル・トポ』を見に行ったのはもう2、30年も前のことになる。「ぴあ」の情報を頼りに映画館に着くと、「そこに書かれている時間帯は間違っている、本日の上映は終了した」と映画館側は言う。集まった若者は10人くらいだったと記憶する。「なんとかしてくれ」の要求に映画館側は、私たちのために、ほぼ喜んで?『エル・トポ』を上映してくれたのである。もしかしたら、この記憶も夢かもしれない。
そのアレハンドロ・ホドロフスキーの自叙伝である『リアリティ・ダンス』が面白い。読書中もしなんらかの拍子にページが破けようものなら、ページの裂ける音とともに血が滲み、次第に白い紙を濃く染めていく。溢れる血液が滴り落ち、床に落ちた生暖かい赤い液体は次第にむくむくと物体化し、あなたの脚にまとわりつき、心臓へと手を伸ばしてくるであろう。彼の血液があなたの血液と混ざり合い、色彩のない日常生活の殻を破り、あなたは踊りだす。
自叙伝だけでも有難いのに、これが映画になった。東京では既に終了しているようである。関東での上映は、以下の通り。
神奈川・逗子CINEMA AMIGO
2014年10月19日(日)~11月8日(土)
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