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漢字の意味(日本語と中国語)
漢字の意味(日本語と中国語)
銭湯に行った時などに、日本語で「小人」と書かれている場合には「大人」に対して「子供」の意味で使われているけれど、中国語では、「器の小さい人間、徳のない人」の意味で使われる。このあたりは「小人閑居して不全をなす」という成句からなんとか理解できる。
日本語と中国語での漢字の意味の違いにおいて、有名なところでは、中国語の「勉強」は「強制」の意味だったり、「新聞」は「ニュース」の意味だったり、「手紙」が「トイレットペーパー」だったりと私たちを悩ませる。
日本で使われている漢字の大部分は、もちろん中国語からの輸入であるけれど、日本の地に移植されてのち数年後に意味の変化が起こる場合がある。
通常、私たちが「邪魔」という言葉を使う場合、「妨げること」を指すが、中国語では「仏教の修行に励む者を妨げる悪魔」のことをいう。仏教用語の一つ。
「お邪魔しまーす」という表現は、整理整頓された他人の家の場を乱す「悪魔」に自分を見立てているのだろうか?いづれにせよ、「訪ねる」の謙譲語の一つとして発展していったのであろう。
ここで、私たちの生活の中に溶け込んでいる仏教用語を少し眺めてみよう。
1 挨拶(あいさつ)
もともとは、群衆が人をかき分けて進む様を表した。
禅宗において、相手の悟りの深さを見極めるための問答の意味になり、日本では転じて応答、返礼の意味になり、出会いや別れの言葉や仕草を意味するようになる。
2 大丈夫(だいじょうぶ)
もともと「丈夫」は一人前の男子を指した。
そこから健康でしっかりしている様を表すようになる。
さらに「大」という字が「丈夫」に付き、ものごとが優れている様を表現する。仏教では、偉大な人という意味で「菩薩」を「大丈夫」と表すようになる。
現代では「問題ない」ことを表すに至る。
3 修羅場(しゅらば)
インド神話における阿修羅(アシュラ)と帝釈天(インドラ)との争いが行われた場所を意味する。
転じて、それほどの激しい争いが起こる場所やその状況などを意味するようになる。
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