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post-covid19通信 No.7

2020.05.20

post-covid19 通信 No.7

 

 

 

今日は、タイからの情報をご紹介させていただきます。

 

 

タイの首都であるバンコクから始まり今やタイ中に広がりつつあるその運動は、pantry
of sharing運動と呼ばれています。

 

 

pantryは、「食料品棚」の意味で、sharingは「余った食料をシェアする」くらいの意味です。

 

 

タイ語では「トゥーパンスック」と言います。「トゥー」は「箱」、「パン」は「共有する」、「スック」は「幸せ」を意味します。「幸せを共有する箱」くらいの意味です。

 

 

「幸せを分けあうボックス」

 

 

タイではcovid19によって職を失った人が多く、その日の食べ物にも困っています。もちろん、ボランティアの方々が炊き出しも行っておりますが、それだけでは賄いきれません。

 

 

生活に困窮した人々を助けるための運動がこのpantry of sharingです。

 

 

システムは簡単です。道端に食器棚のような箱を置きます。そこに、少し生活に余裕のある人が食料や備品などを置いていきます。

 

 

英語の説明では以下のような単純明快なフレーズを見かけました。

 

 

 “Give what you can,

  
take what you need. “

 

 

「余裕のある人は持ち寄り、

 

必要な人は頂きましょう」

 

 

 

 

食べるものにさえ困っている方々は、その箱から自分に必要な食料をもらっていきます。ノートがあり、感謝の言葉を述べます。実にシンプルです。

 

 

始めは、このような運動はうまくいかないだろうと懐疑的な目で眺めていた人たちも多かったようです。

 

 

しかしながら、やらないよりやった方が良いのです。様々な問題は必ず起こります。そんなことを恐れていても何も解決できません。本当に困窮している人が今そこにいます。

 

 

単に募金するなどの行為より現実的に人助けに直結します。自分も困窮しているにも関わらず、自分よりも困っている人をみんな助けようとしています。

 

 

また、このことで助けてもらった人が余裕を持てたら、自分もほんの少しの食料をこの箱に持って来て恩返しが可能です。このように食料をシェアすることで幸せの輪を広げようという運動です。

 

 

タイに一度でも訪れたことのある人なら誰でも経験しますが、必ず笑顔で迎えられます。そしてタイを出国する時にはきっと自分が笑顔になっています。笑顔は伝染しますので。

 

 

 

 

タイでは「タンブン」という考え方が根付いています。タイの人はほとんどが敬虔な仏教徒です。

 

 

タンブンの「タン」は「行う」、「ブン」は「善」を意味します。簡単に言えば「善行を行い、徳を積むこと」です。お寺に参拝したり、お坊さんにご飯などを渡したり、貧しい人にお金や食物を恵んだりすることです。

 

 

 

 

3月、4月の段階では、欧米では中国に恨み節が炸裂し、更にはアジア系の人々にまで偏見が猛威を奮っていました。

 

 

しかしながら、パンデミックの大きな危機を乗り越えた後には、人々は前にも増して良好な国際間の人間関係が築けるかもしれません。もちろん一部の国同士の反発は避けられない可能性は秘めていますが。

 

 

危機は変化をもたらし、人々は既存の価値観に疑問を呈するようになるかもしれません。世界が大きく変わる可能性を孕んでいます。

 

 

タイでの「幸せを分けあうボックス」運動は、covid19の感染拡大に伴って普及しました。人々は自分が人に対してできることを淡々と行っています。人に何かをしてあげることで実は救われるのは自分なのかもしれません。

 

 

 

 

◯「ラテン語・古典ギリシャ語単語の作り方」は、次回から両言語を分けて、それぞれ

 

 

「ラテン語の語形成 」

「古典ギリシャ語の語形成」

 

 

とさせていただきます。該当する方には、後ほど、詳細メールがが配信されます。

 

 

 

 

 

 

  
Stay home, and stay cool.

                           竜崎克巳