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post-covid19 通信 No.5

2020.05.07

post-covid19 通信 No.5

 

 

 

 

「やらない善より、やる偽善」

 

 

そんな「ことわざ」は、ないと思いますが、良いことばかり言って何もしない善人より、宣伝だとか陰口を叩かれようと実行する偽善を私は良しとします。

 

 

ということで、うちの塾も3月、4月に、英語会員一人ひとりに「洗えるマスク」を配布し、経済的打撃を受けた方には会費半額措置を行なってきました(継続中)。

 

 

偽善行為第3段として、学校休校中の間、5月から500円分のAmazonギフト券を英語会員の方に毎月、還元させていただきます。

※8月末まで休校 or 12月末まで休校という2パターンを休校の限度期限と想定しております。

 

 

※当塾の英語のレッスンは、5/7に復帰します。

 

 

※ラテン語・古典ギリシャ語の授業の再開は9月を予定(変更もあり)。現在、閉講中。

 

 

 

 

「読書っていいかもフェア」開催中

 

Amazonギフト券をもらって本を買おう!

 

 

 

 

Amazonカードをもらって、小説でも漫画でも(「マスターキートン」とかいいですよね)、好きなものを買って読むと良いです。私なら少し貯めてアヴェスター語の文法書を買うでしょう。

 

 

注意) 「政府から配給される10万円は私は受け取りません」などと言う「かっこいい」偽善者には私たちはなれませんね。時々ぶかっこうくらいでちょうど良いです。しっかり受け取って、どんどん使いましょう。経済を回すことが大切です。行き付けのラーメン屋で普段はのせないチャーシュートッピングいっちゃってください。地元の商店街で使いましょう。メロンも和牛も蘭も買いましょう。農家さんが困っています。

 

 

 

 

さて、covid19によって環境問題の改善という点を前前回あたりに眺めましたが、今回はその流れで「自然と人間の調和」への気付きについて考えてみましょう。

 

 

Nature is visible Spirit; Spirit is
invisible Nature.

 

自然は目に見える精神、精神は目に見えない自然である。

フリードリヒ・シェリング

 

 

 

 

部屋の状態は、住んでいる人の精神状態を写す、というようなことがよく言われます。

 

 

部屋が人の精神を写すのなら、私たちの身の回りの環境は私たちの精神を写すことになるのではないでしょうか?

 

 

汚ない海や空は、私たちが便利さと交換した代償であり、私たちの精神の汚れを示しているようにも思えます。

 

 

今回のパンデミックによって、慌ただしく日常を消化していく私たちに一旦立ち止まって、ものをよく考えろ、と時間が与えられたような気がします。

 

 

そういうわけで、たまにはテレビも消して、スマホもオフ。風の音でも聞いてみましょう。手で土を触ってみましょう。無音に体をなじませよう。

 

 

ガチャガチャした音が消え、無音に慣れてくると、自然の小さな音にも敏感になってきます。

 

 

次に「バッハの無伴奏チェロ組曲」を聴いてみましょう (YouTubeで聴けます)。先ずは、ヨーヨー・マさんの演奏から。心にすっと流れ込んで来るのが感じられます。

 

 

その次に美味しいコーヒーをいれて、読書の時間をつくりましょう。

 

 

 

 

さて、先ほど引用したシェリング(1775-1854)ですが、ヘーゲルやカント、フィヒテなどと並ぶドイツの哲学者です。シェリングと言えば同時代のノヴァーリスを連想します。

 

 

 

 

 

 

 

ドイツ・ロマン主義を代表する詩人ノヴァーリス(1772-1801)。僅か29歳で亡くなりました。代表作は『青い花』(岩波文庫)。

 

 

※イギリス・ロマン派だとバイロン卿やシェリーですね。しかしながら、最も有名な作品は、シェリーの奥さんであるメアリーさんの『フランケンシュタイン』ということになります。これについては、いつの日か眺めてみましょう。フランケンシュタインは怪物のことではありませんよ。あの怪物を作った博士の名前です。

 

 

 

 

ノヴァーリスの作品では、現実と非現実の境界線は薄れ、日常の空間にひょっこり奇跡が顔を出し、奇跡は日常化します。彼は、人間を小宇宙ととらえ、「世界」を「ひとりの人間」としてみなしました。

 

 

 

 

「身心一如」

 

 

「しんじんいちにょ」と読んでおきましょう。心と身体はひとつである、という意味です。コインの裏と表のように。

 

 

元々は、道元なのか栄西なのか分かりませんが、仏教の世界の言葉です。

 

 

禅においては、肉体があるから座禅ができる、座禅ができるから心が清らかになれるという考えです。

 

 

肉体を離れて心はありえないし、心を整えるから肉体が健康になる、身体と心は不可分のものであり、ふたつに分けることはできないということです。

 

 

今回のパンデミックで私たちが感じ取れるのは、私たちの心と身体と、さらに自然環境(世界)、この3つは一つのものの現れなのではないかということです。

 

 

そんなことをつらつら考えると、ジェームズ・ラブロックの「ガイア理論」に再び辿り着きます。

※ラブロックは、まだ生きています。

今年100歳です!

 

 

 

 

「地球は一つの生命体である」

 

 

私たち一人ひとりは、地球という生命体の中に住まわせていただいているごく小さな生命体であり、地球にとって私たちはウイルスみたいなものです。

 

 

私たちが苦しんでいる今回の新型ウイルスのパンデミックと極めて逆説的ですが、私たち一人ひとりは地球にとっての極悪ウイルスであり、特に産業革命以降は計り知れない悪さを地球に与えてきたことは空や海の汚れをを見ても一目瞭然です。その汚れは、地球にとって癌のようなものでしょう。

 

 

夜に星が見えないのは異常なことなのです。不自然な現象に私たちは慣れすぎてしまっています。

 

 

今回のパンデミックは、実は地球が自己調整能力を使って、自分の「身体」を修復しているのかもしれませんね。

 

 

 

 

さて、天気が良い日にはゆったり散歩に出かけましょう。毎日、私は近くのビーチまで散歩に出かけるのですが、本当に人があまりいません。だから波の音がいつもよりよく聞こえるような気がします。

 

 

しかしながら、ビーチには人々の笑い声があった方がやはり良いです。そして海もそれを望んでいる気がします。

 

 

 

 

最後に、アメリカの神話学者ジョーゼフ・キャンベル(1904-1987)の言葉を聞いてみましょう。彼は「スターウォーズ」の制作者であるジョージ・ルーカスに多大な影響を与えたことでも有名です。

 

 

The goal of life is to make your heartbeat
match the beat of the universe, to match your nature with Nature.

生きることの目的は、自分の心臓の鼓動を宇宙の鼓動に合わせることです。人の内なる自然を宇宙の自然に合わせることに他なりません。

 

 

 

 

   Stay home, and stay cool.

         竜崎克巳