post-covid19 通信 No.4
post-covit19 通信 No.4
みなさん、おはようございます。
前回から、極悪covid19によって引き起こされたプラスの側面を観察しております。
私はギターがほんの少し上手くなりました。
普段は練習はしないし、元々うまくはないので、微々たる上達なのですが、時間を持て余しちょっと練習などをした結果、少し前には弾けなかったフレーズがいとも簡単に弾けるようになったのでした。やはり楽器は練習なんですね。
◯「教育制度」と「働き方」の見直し
「教育制度」
学校再開のシナリオですが、大きく分けて2つ考えられます。
1つは、この通信No.2でも書きましたが、日本全国9月入学システムの導入です。その場合、来年の7月あたりが受験ということに今後なります。教育システム全てを変える方法です。
もう1つは、感染者数の少ない地域から徐々に学校を再開させ、最後に東京での再開です。今の教育システム(入学は4月のまま)を継続させる方法です。
どちらにせよ、ただぼーっと誰かが何かをやってくれるのを待っているのは得策とは言えなそうですね。
‘If you want the rainbow, you have to put up with the rain. ‘
虹を見たいんだったら、雨は我慢しなきゃ。
‘We cannot direct the wind, but we can
adjust the sails. ‘
風向きは変えられないけど、舵をきるのは我々だ。
「働き方」
「働く」ということに関して大きな変化が訪れる可能性があります。ベーシックインカム制度の導入がこれに当たります。このことについては、別の機会に考察してみましょう。
◯言葉の向こう側へ
今回は、「言葉とは何か」への気づきについて考えてみます。ほんの少し使用法を間違えただけでも、狂気を引き起こし、凶器にもなりうるのが言葉
です。
covid19によって、私たちは言葉の使い方に慎重になることができ、同時に物事の本質を見る力を少し養えるように思えます。
「コロナ」という言葉は元々、ラテン語coronaで、「冠」という意味です。この言葉そのものに何か悪を感じるでしょうか?
むしろ「冠」は良い意味ではないでしょうか?では、なぜ「コロナ」という言葉に私たちは不快感を感じるのでしょうか?
それは私たちの脳が、あらゆる事柄とイメージに汚染され、本来の言葉の意味を通り越したところに辿り着いてしまうからです。
言葉の使い方において、それが正しいとか正しくないとかの遥か向こう側にある現実の中に孕む危険性について考えてみましょう。
私の大好きなコロナビールがその名称ゆえに生産中止になりました。コロナビール自体のどこが悪かったのでしょうか?
世界中に実際にいる「コロナ」君という名の人が、コロナビール同様にいじめを受けています。
オーストラリアでの映画撮影中にcovid19に感染したアメリカの俳優トム・ハンクスさんへ、ファンの少年が「大丈夫ですか?」と手紙を書いて送りました。
オーストラリアに住むその少年の名前は「コロナ・デブリース」君。その名前ゆえにいじめを受けていると言う。
トム・ハンクスは、返信の手紙と共に一台の素敵なタイプライターを送ってあげたそうです。
それは「スミス・コロナ」社製でした。自分と同じ名前のこの素晴らしい贈物を受け取ったコロナ君はとても喜んだそうです。
‘Love all, trust a few, do wrong to none.
‘
By William Shakespeare
今回のパンデミックが原因で、あらゆるところから人を誹謗中傷する声が聞こえてきます。
もちろん、人間ですから何かに対して怒ることは自然です。しかし今はやめておきましょう。なぜならあまりに多くの人がそうしているからです。
そうは言っても、怒りが収まらない人には「アンガーマネジメント」という心理学を応用した怒りのコントロール術があります。Amazonあたりで検索してみてください。何か良い本が見つかるかもしれません。
古代ローマの詩人ホラティウスは「怒り」を次のように表現します。
‘ira furor brevis est: animum rege:
qui nisi paret imperat. ‘
怒りは短い狂気である。もしこれが私たちに服従しないなら、怒りが私たちを支配することになる。
哲学者セネカも「怒りについて」という論考において、このホラティウスの言葉を引用しています。
言葉というものは、正しいとか正しくないとかの向こう側にある現実に影響を与えます。
covid19のことを「チャイニーズ・ウィルス」とトランプ大統領は連呼しました。
「コロナをアメリカにもってきたのはお前たちだ!」という差別が中国系の人々に対して起こりました。
中国人に対する誹謗中傷に拍車がかかり、テキサスでは、食料品店で買い物をしていたアジア系の親子3人が刃物で刺されるという事件も発生しました。
この3人は、どこか悪かったでしょうか?
「コロナ」君や「コロナビール」や「中国系の人」に対してだけではなく、既にあらゆるところで差別が生まれています。
今アメリカで最もよく売れているものは銃だそうです。
‘Who spits against heaven, it falls on his
head. ‘
人に唾を吐きかければ、めぐりめぐって自分の頭に返って来る。
今回のような危機的状況に私たちが直面すると、人間(人種)や地域社会や政治や国などに内包される問題の性質が倍増して顕現し、誰の目にもはっきりとその本質が見えてきます。
つまり、covid19によって私たちは「今まで見えなかったものが、よく見えるようになった」とも言えそうです。もちろん見たくないことも見えるようになり気分が滅入ることもありますね。
そのような方に、お勧めの映画をご紹介いたします。
「コロナ」君に「コロナ」社製のタイプライターを送った「コロナ」から生還したトム・ハンクスに登場願いましょう。彼の主演映画「フォレスト・ガンプ」です。
「フォレスト・ガンプ(一期一会)」
原作はWinston Groomの小説
‘Forrest Gump’
有名な映画なので観たことのある方も多いかもしれません。でも2回目も悪くないですよ。私は5回以上は観たような気がします。
どのような映画なのか、私の下手な説明より、映画の中の有名なセリフにヒントを見つけましょう。
“My momma always said life was like a box
of chocolates. You never know what you’re gonna get”.
「ママはいつも言っていたんだ、人生はチョコレートの詰め合わせボックスみたいだって。開けて食べてみるまでは、何が入ってるか分からないって」
(人の生は、神様からの贈物で、それぞれに与えられた運命を実際に生きてみるまではどうなるか誰にも分からない、くらいの意味だと思います。)
※原作小説には前述の表現はなく、小説の書き出しに、
‘Being an idiot is no box of chocolates.’ とあります。
※全体を通して、この「通信」に出てくる英語その他の外国語の引用文等の日本語訳は私が付けています。一般的な訳とは異なる場合があると思います。予めご了承ください。
「フォレスト・ガンプ」に似ている映画に「ガープの世界」という作品があります。こちらは原作はジョン・アービングです。村上春樹さんも彼の作品の一つを翻訳していますね。
その作品のタイトルは『熊を放つ』。学生の時に買った記憶はありますが、読んだ記憶がありません。積読だったのかな。
◯現「英語コース会員」の方へ
「covid19特別措置(会費半額)」の受付は継続しております。
※covid19による経済的な打撃を受けられた方のための会費の半額措置。
経済状況の詳細などはお聞きいたしません。審査もありません。
自己申告制でお願いいたします。
尚、英語に関する質問や勉強方法などに関する質問は常に受けつけております。
◯ラテン語・古典ギリシャ語の授業は3月上旬から休講中。
再開予定は9月中旬としておりますが、状況により変化する可能性があります。予めご了承ください。
尚、ラテン語と古典ギリシャ語に関する質問は常にお受けしております。
「ラテン語・古典ギリシャ語単語の作り方」は、かなり不定期です。申し訳ありません。
◯「英単語の作り方:特別編」と
「post-covid19通信」は英語・ラテン語・古典ギリシャ語会員の方全員に送信されています。後でお金取られたりしませんよ(笑)。
〇「英単語の作り方シリーズ」
「英単語の作り方:特別編シリーズ」
「英文法の使い方シリーズ」
「ラテン語・古典ギリシャ語単語の作り方シリーズ」は、
ブログ Lingua Mania 内に掲載されています。
Stay home, and stay cool.
竜崎克巳
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